2021/05/05
<コラム>腰痛でお悩みの方に。「硬いマットレスが腰によい」は迷信。
最近は、高反発や低反発、釣り糸型の素材など
「腰痛対策に良い」という謳い文句で
マットレスが数多く販売されていますが
腰痛でお悩みの方、どんなマットレスで
毎日眠っていますか?
マットレスを選ぶときまず話にでるのが『硬さ』。
どの程度の硬さを選ぶかによって
弾力性・寝心地が変わってきます。
特に腰痛対策のためには硬いマットレスや
敷き布団を選ぶ方が良いという
話をよく耳にするので、
硬めのマットレスを
愛用している方も多いのでは。
「硬いマットレスは腰に良い」という俗信。
本当にそうなのでしょうか?
「硬いマットレスが良い」といわれるようになった経緯。
いろいろ考えてみると複数ありますが
特に考えられるのが
その①
日本人は「畳に敷く布団スタイル」に慣れているから。
もともと、日本では畳に木綿敷布団を
敷いて寝るのが一般的で、
『硬い寝心地』は昔から慣れ親しんでいるから。
”せんべいふとん”という言葉を聞きますが、
へたってペタペタに薄く硬くなってしまった
敷ふとんのこと。
へたっていることが分からず
寝ている人も多数いるかと思います。
その②
柔らかいマットレスでは腰が沈みすぎるから。
腰痛を引き起こす原因のひとつとして
姿勢の崩れが挙げられますが、
猫背や反り腰になり背骨のバランスが崩れて
筋肉が緊張し、腰痛を引き起こすと言われています。
柔らかいマットレスで眠ると
体重の約44%を有する腰部分が沈みこみ、
寝る姿勢が猫背状態になってしまう恐れがあります。
硬いマットレスであれば腰の沈み込みを防ぎ、
背骨が描くS字カーブを保持することが出来るので、
腰痛対策に良いとされているようです。
ごもっともと思えるような理論です。
逆に、やはり硬いマットレス信仰にも
デメリットがあります。
その①
硬すぎて腰や肩などの局部を圧迫してしまう。
人間の体は背中やお尻部分に凹凸があり、
硬いマットレスなどの弾力が少ない寝具に寝ると、
自分の体重で局部を圧迫してしまいます。
その結果、筋肉の疲労を起こしたり
血流を妨げてしまい
腰や肩にかかる負担が
大きくなってしまいます。
その②
腰のくびれにすき間が出来るので、体重負担が増加する。
マットレスに適度な弾力がないと
体の凹凸を吸収することができないので、
腰のくびれ部分に大きなすき間が出来てしまいます。
くびれ部分の体重はお尻の出っ張りで
支えないといけなくなるので負担が強くなり、
眠る姿勢も反り腰のような
バランスの崩れたものになりやすくなります。
この状態では腰に負担がかかりすぎるので、
腰痛を抱える人にはつらい体勢になってしまいます。
<総評>
「硬い」とか「柔らかい」という
感じ方・好みは人それぞれ。
自分が硬くて寝れないと思うものでも、
他の人からすれば「ちょっと硬いと思うぐらい」
という場合もあれば
「この硬さがちょうどよい」と思う人もいます。
でも「硬いのが欲しい!」という理由だけで、
マットレスを選ぶのは絶対危険。
まだまだ、「硬めマットレスがおすすめ」のみで
商品をおすすめする店員さんやネット情報が
存在しているかと思います。
寝具は一人ひとりに合わせて選ぶ時代です。
人それぞれ体型も違えば、
身長・体重・性別・好みも違う。
だからこそいろんなマットレスや
枕が販売されています。
その中からあなたに一番合う寝具とは
どれかを一緒に探して見つけるお手伝いをするのが、
寝具専門店の責任だと強く思います。
枕やマットレス・寝具は一度買うと
10年という長期間使用するアイテムです。
毎日安心してぐっすり眠ることができるように、
寝具の選び方を大切にしていただければと思います。
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